【開催レポート】意外と知らない!?イベント・セミナーの「事務局」の重要性

カンファレンスファクトリーでは、企業イベントやセミナー・カンファレンスに関する動向や事例についてオンラインセミナーを毎月開催しています。

今回は、カンファレンスやアワードなどで多数の事務局経験もあり、弊社のスーパー事務局でもある青山雅子と、一般社団法人のat Will WorkやPublic Meets Innovationの理事であり、ビジネスセミナーやカンファレンスを数多く主催している日比谷でお送りしました。

イベントやセミナーが昨今増えていると思いますが、実はやることがたくさんあります。セミナーやイベントをこれから始めてみたいと考えている人はもちろん、継続してやっていきたい人のために、「事務局」の存在を改めて知ってもらいたいと考え、今回このテーマで開催しました。少しでも多くの知見をお届けした結果、皆様の事業の成長に貢献しできれば、と願っております。


サマリー

イベント・セミナーの全体像
・やること沢山あります!

■ 事務局の役割とは?
・役割はさまざま。一つ一つの作業は地味だが、積み上げると大変!

■ なぜ 事務局が必要なのか?
・主催者はコンテンツに力を入れるべき。だからこそ主催者を支えるチームがいる



なお、本記事のラストに
「イベント設計時に考えるチェックリスト」の詳細も記載していますので、
ぜひ最後までご覧ください!
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1.イベント、セミナーの全体像について

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日比谷(敬称略):イベントやセミナーを行う際には、「誰に、何のために、何を伝えるか」を設計することが大事です。イベントをやることは目的ではなく、誰かに何か動いてもらうことが目的で、その方法としてイベントという「手段」をつかうわけです。そういう順番で考えないと、準備を進めているうちに、なぜやっているのかを見失ってしまうことがあります。

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日比谷:また「人に集まってもらい何かを伝える」手法も様々です。上のスライドは、そのほんの一部。いずれも「イベント」と一括りにされがちですが、オフラインであろうとオンラインであろうと ”人に集まって頂いて何かを伝えていく” という方法にはいろんなバリエーションがありますが、いずれにしても運営を支える事務局の存在は重要です。

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日比谷:イベントを行う際の基本的なステップは共通ですが、種類・規模によって必要となる期間が異なります。

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日比谷:そして、事務局はロジ(運営にまつわる実務全般)が主な仕事になります。このロジは、フェーズや状況に応じて臨機応変に対応することが求められますが、これがかなり大変。

青山:スライドの赤の部分は事務局もサポートしますが、主催者が担うことが多いですよね。

日比谷:そうですね。登壇者やVIPの対応などは主催者が対応することが多いですが、でもスムーズに遂行できるよう、段取りや事前連絡などを事務局に支援してもらうことはありますね。また、「企画内容」については主催者が「何を伝えたいのか」という軸をぶらさずに、きちんと確立せねばいかんところです。メディア対応も、政策提言は主催者かもしれませんが、そこまでの段取りや各種データをとりまとめるなどを事務局と分担することは多いですね。

 

2.事務局の役割とは?

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青山:大前提として主催者の想いを汲み取って全部を調整をしていくことが事務局には求められます。また、たくさんのステークホルダーと関わるのが事務局の特徴。こちらのスライドに示したのも、そのほんの一部です。

日比谷:規模が大きくなればなるほど、主催者は大事な役割をやってもらいつつ、一方で運営の様々な調整や推進を担うチームとして事務局がいたほうが絶対良いですよね。主催者が全てに目を配ろうとするとパンクしてしまう。

青山:チーム体制大事ですよね!これ以降のスライドは、事務局の仕事を細かく書き出しているので是非ご覧ください。

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青山:ひとつひとつの作業は難しくないですが、登壇者が多い場合は一人一人とのやりとりやチェックが大変なんです。漏れがないようにチェック項目を作ったり、関係者に共有をすること等、仕組み化が大事になってきます。

日比谷:運営のお手伝いをしたり登壇者として参加するんですが、事務局や運営メンバーの方々の対応によって、その運営チームが慣れているのか、もしくは突貫で頑張っているのかはよく分かります。オンラインを中心に気軽にイベントやセミナーを開催できるようになった分、まだ手探りで運営されている方も多い印象ですが、きちんと運営にまつわるタスクやノウハウをリストとして整理しておくとよいですね。一方で、ノウハウを整理して色々なアクションをテンプレ化するのもよいですが、、機械的なやり取りになりすぎてしまうのは残念です。イレギュラーなことが発生しても柔軟に対応したりホスピタリティがあることが望ましいですよね。

青山:ホスピタリティという面でも、事務局として当事者目線はめちゃくちゃ意識しています!

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青山リアルとオンラインのハイブリットで行う場合もあるので、オンライン登壇ができる体制作りは欠かせなくなりました。いろんなバリエーションで準備はしていても先方の都合で変更があるので、対応の難易度は上がっています。

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青山:また、スポンサーのロゴ掲載なり登壇者名の記載など、製作物における掲載確認では、外部関係者とのスケジュール調整が大変なんです。デジタル系の制作物はぎりぎりまで何とかなりがちですが、印刷物はシビアですね。

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青山:参加者向けの申し込みフォームは、イベントごとで考慮する必要があります。

日比谷主催者側としては、集客することに注力しがちで、丁寧さとか参加者視点での企画などがおざなりになることも多いんですよね。これは参加者から見たら満足度やリピート参加の意欲にも関わるので、気を付けたいところです。メールの文面や言葉遣いも、運営やコミュニティのブランディングに影響するので、気を付けるべきポイントですね。

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青山:規模が大きいイベントの場合は、会場の選定から当日の運営までをプロに委託すべきで、例えば本日の配信もホットスケープさんにお願いしています。一方で、全てをお願いするのではなく、予算の使い方(何に、いくら出すか)や登壇者のお名前など、事務局として細心の注意を払ってチェックするものもあります。

日比谷:分業で大プロジェクトになってきたときに、細部の確認は主催者側や事務局がやらなくてはいけないから、台本や計画書を最終チェックできる時間と気持ちの余裕を確保しておかねばなりませんね。

青山:ほんとそうですね!また、繰り返しにはなりますが、事務局はクオリティ・ホスピタリティを含め、責任を持って当たらなければなりません。

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青山:広報がどれだけ介入しているかにもよりますが、このスライドで示しているものは、業務委託の場合の最低限バージョンになります。

日比谷:イベントの目的にもよりますが、事前の盛り上げや、本番後のさらなる拡散で活躍するのが広報ですよね。イベントの企画内容は、どんどんアップデートされていくことが多いですが、広報が企画の最新状況(誰が登壇するかとか、どんなセッションが提供されるかなど)を把握しておかないと、発信の内容が的外れになったり、タイミングを逃してしまいます。だから最新の情報を、逐一広報メンバーに共有しておくことが必要ですね。

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日比谷:スポンサーさんとは別に、メディアスポンサー枠を設ける場合もあります。座組みは様々で特に決まりはありませんが、登壇者の特別取材の機会を提供したり、開催前に登壇者の取材機会を提供するなどをする場合もあります。またメディア関係者に登壇してもらったり、コンテンツ提供してもらうケースもありますね。相手(メディア)の希望を鑑みつつカスタマイズした提案をしていかなければならないと思っています。これは調整に時間がかかることも多いので、早め早めにやっておくべきですね。

ちなみにイベントレポートは単調になりがちだったり、まとめるのが大変だったりする割りに、あまり読まれない傾向があり、好まれないことが多いです。どうしてもイベントの内容を報じてもらいたい場合は、企画段階からどうやったらメディアが興味を持つか、、を考える必要があります。

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青山:事務局って事務作業のイメージがあると思いますが、一言で言うなら「実行部隊」。何でも屋とも表現もされますが、イベントやセミナーを実施する上での要になります。

役割の定義や範疇はさまざまですが、一つ一つの作業の積み重ねと、多くの人が関わることが思った以上に大変なんです。それを事務局が担っています。
他にもセッションの内容に関わったり、お金を扱う場合もありますので、やることをあげればキリがありません。

日比谷:主催の方にお伝えしたいのは、「なんでもかんでも事務局に丸投げするのはやめよう!」ということ(笑)。これから事務局を担う人にお伝えしたいのは「結構大変だからきちんと準備したり、覚悟して臨んでもらいたい!」ということですね。

 

3.なぜ事務局が必要なのか?具体的なノウハウや求められるスキル

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青山:さて、、そもそも「なぜ事務局の存在が重要なのか」ということについてお話したいのですが。私の考えとしては、主催者はコンテンツに力を入れるべきで、それが重要かつ代えのきなかい役割だと思います。ぶっちゃけ、それ以外の事は事務局に任せていいんです。

日比谷:確かに!僕は企画やロジも全部やりたいし、気になるし、やれちゃう気がするんです。でも見なければいけないところが多岐に渡るので、全てやると破綻してしまうから、どこかで手放して信頼して任せることが必要。自分じゃなきゃできないことをやる、やるべきことに注力するということが本当にやることでしょうね。

青山:事務局のハンドリング手腕によっては成果にも差が出るので、事務局が全てを制するといっても過言ではないと考えています(笑)。

日比谷:他の方のイベントやカンファレンスを見る機会も多いのですが。事務局の方の動きがよいと、主催者はすべきことに集中できていると思います。主催者も一緒にドタバタしていると、「最終的に伝えたいこと」と実装部分のトータルの一体感に目を配る役割が不在になってしまい、「惜しい」感じになりがちですね。事務局の存在は大きいですよね。

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青山:そして、こちらは事務局業務を進めるのに役立つツールの一例です。どんなツールを使うのかはその時々でさまざまですが、基本的には主催者や登壇者様のご希望のツールを使用します。

日比谷:ステークホルダーが多い分、多くの人たちとやりとりしなくてはいけないし、そうなると複数の連絡手段を使いこなすのは必須スキルです。情報共有や調整などでも、ツールを効率的に使えるかどうかで仕事のスピードにも影響しますね。

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青山:マルチタスクをこなす能力に加え、方針変更も頻発するため、柔軟に対応する力も必須です。各方面への指示や進捗管理などのディレクション能力が求められます。また、事務局は多くのステークホルダーと関わります。相手にとって気持ちいいやり取りができるよう”人間関係構築力”が兼ね備えられていることも大事だと、私は思います。

日比谷:準備が佳境になってくると、関係者同しのホスピタリティが不足したり、つい機械的なやりとりになってきちゃうこともあるんですよね。お互いにひとつものを作り上げていこうというスタンスを持ち続けられることも大事かなぁ。

青山当事者目線に立って伴走することは欠かせないですね。これは事務局に限らず大事な能力です。

 

4.おまけ:イベント設計時に考えること

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日比谷:事務局の話と被ることもありますが、ひとつひとつは大したことではないけど、決めることや判断すべきポイントが多いので、これをチェックリストとして使ってほしいです。詳しくはURLよりご確認ください。

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青山:ご依頼いただける際は、最低限この4つをまとめてご相談頂けたらと思います。

日比谷:良くも悪くも、カンファレンスやイベントもファスト化してると思うんです。気楽にやろうと思いつきやすいけど、いざやろうとするとやることはいっぱいあります。僕はどんどんチャレンジしてやったほうがいいと思いますが、盲点はいっぱいあると思うので、調べるとか事前準備をしてもらえるといいかなと思います。

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青山:以上、事務局について紐解き、事務局の重要性をお伝えさせ頂きました!!


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イベント設計時に考えるチェックリスト:
https://make-conf.jp/column/2020/05/43/

イベント開催ご相談フォーム
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