【開催レポート】いまさら聞けない ビジネスセミナーのオンライン配信ノウハウ


サマリー
■オンラインセミナー活用方法
・オンライン化するメリットは、集客範囲の拡大、対象外の場所の排除、少ないリソースで出来ること
・配信ツールは目的に応じて選択する
・外注のポイントは、トラブル対応が自社内でできるかどうか

■セミナーの前後を意識する
・開催することが目的ではなく、誰に、何のために、何を伝えたいのかを明確にしておくことで、開催後のアクションにも繋がる


unnamed1.png

西舘:セミナーをオンライン化するメリットは、まず全国どこからでも参加可能ということが一番大きいです。オフラインとの違いは、その日、その時、その場所にいなくてもいいことで、コンテンツを届けられる対象外の場所がなくなったことも大きいです。集客範囲と集客の可能性が拡大しています。

さらには事前収録やアーカイブの活用などで、一次利用だけでなく二次利用、三次利用してコンテンツを発信できるようにもなっています。

また、少ないリソースでの開催が可能となりました。最小だとパソコン一台と配信ツールだけで、慣れれば一人でも運営しようと思えばできます。オフラインではできなかった一人で大勢を相手にできるようになったことがオンラインの強みではないかと考えています。

unnamed2.png

西舘:私もよく使っていますが、zoomが機能的にも安定しています。参加者を交えたディスカッションできる点が良いですし、リアルタイムの双方向のやり取りはzoom一択です。機能の拡張でかなり便利になっています。一方、講師と参加者が同じ立場で参加できますが、進行の妨げにならないような注意は必要となります。
ウェビナー機能は参加者とパネリストがはっきり分かれいて発表はしやすいが、参加者はコメントのみの参加なので参加感を得られづらいかもしれません。そのため目的にあわせた使い方をすることが大事です。

Stream Yardはライブ配信なので参加者のコメントも表示でき、参加者も楽しめるような作りです。ただコメントしか参加できず少しタイムラグがあるので、リアルの参加感は難しいです。ライブ配信かオンデマンド配信がいいのか、機能を使い分ける必要があります。

今日みたいなセミナーの場合は一方通行の配信でもOKですが、参加者を巻き込むほうが満足度は高まるので、セミナーの目的に応じて適切な開催方法を検討してほしいと思います。

unnamed3.png

西舘:体験されている方も多いとは思いますが、やはりオンラインではネットワークトラブルが多いです。セミナー前には会場側と入念にチェックすることが必須です。発表環境の構築も大事なので、予め発表者とも同じ環境で繋ぐなどネットワーク回線を事前にチェックをして、改善しておいたほうが良いです。

バーチャル背景の統一することも増えてきていますが、スペックによっては想定外なことも起こり得るので事前にチェックしておきましょう。去年はそのようなトラブルが多かったんですが、周知されて今年はだいぶ減りました。

あとは参加者を巻き込むのが難しいです。最近のハイブリット配信で、オンラインとオフラインの温度差が出てくるのを改めて感じました。どうしてもオンラインの人が置いてきぼりになっちゃうんですよね。だから、どうオンラインの人にオフラインの人と同じ経験をしてもらうか、事前の設計次第で同じように感じ取ってもらえるかが変わって、満足度や次にも繋がるのだと思います。

特にオンライン側には気を配っています。オンライン、リアルイベントでは気にしなきゃいけないことが違いすぎると感じています。

前野:これまでずっとリアルでやってきたのが、ここ1年半ほどで急にオンラインに切り替わってきました。これから先は、両方の経験を活かしてハイブリットになっていければいいですね。

西舘:ちなみに外注のポイントをよく聞かれるんですが、社内にトラブル対処ができる人がいるかどうかです。なければ、トラブルが起きた時に対応してもらうことが必要です。外注したのなら、しっかりとプロから技を盗んでいきましょう。

unnamed4.png

西舘:様々な立場の人が自分の目的達成のためにオンラインセミナーをやる時代になってきました。特にセールスの方に伝えたいのは、届けたい相手に来てもらうことです。

以前にあった事例で、セミナーが良くて事後アンケートも取ったのに、そのあとに何もしないのはもったいないなと。イベント後のアクションを忘れないでほしいです。開催を目的とせず、「何のために」「誰に」「届ける目的」などを明確にしておくことが大事です。気軽に開催できるからこそ、そこは意識すべきことですね。

数多くあるイベントの中から選んでもらうには、楽しんでもらえる、言いたいことが伝わるように工夫する必要があります。これからはよりハイブリット型になっていくので現地に呼び込みたいということが増えてくると思います。だからこそオンライン側を置き去りにしないようにサポート体制をしっかりしていくことも必須です。

前野:間違ってはいけないのが、ハイブリット型と言っても、リアルに呼ぶために事前にオンラインセミナーをするって流れですよね。コロナ前にやっていたやり方に戻すかどうかは、検討しながら進むところかなと思います。

unnamed5.png

西舘:イベントをやるときに難しいことを考えずに、まずは実践です。私はわからないながらに周りの人に聞きながら、計画実行のスパンを短くやっていました。やろうと思えば、オンラインセミナーは明日やろうでもできてしまうんです。

オンラインセミナーならしっかりやるイベントでも2週間くらいの告知です。1か月前から申し込んだりしないし、直前に申し込むことが多いので、そこはリアルとの違いですね。集客方法も異なります。オンラインツールも使っているとアップデートされた機能や情報が入ってきてまた覚えたり、慣れていったり失敗体験ができます。

また、外部の雰囲気や企画を知る事も大事です。見たことない人を見て、教えてもらったり覚えたりして、自分のイベントに活かすのも良いと思います。

みなさん尻込みすると思うんですが、リアルイベントのコストよりも被害が大きくないから怖がらなくていいですよ。まずは「やる」から始めていいんです。イベントにお客さんを100%集めることよりも、考え方次第では別のコンテンツに活かしたりすることもできます。

結局、イベントは千差万別。自分たちがつくりたいオンラインの「場」を追い求めてください。

243519669_687718252201133_6920886859185983795_n.jpg